起業を考え始めたら、メリット・デメリットはもちろん、起業までのステップや必要な準備を事前に知る必要があります。当記事では、起業のメリット・デメリットと起業前に必要な準備を解説。スムーズに事業を軌道に乗せるために、今からできる準備を進めていきましょう。
起業にあたって最も重要なのは、起業の目的を明確にすることです。
起業の手続き自体は難しいことではありませんが、5年、10年と事業を継続する過程では体力面・精神面双方に大きなストレスがかかります。時間を犠牲にして働かなくてはならない局面や、自身や社員の生活の心配をして悩むこともあるかもしれません。自分が起業したい理由を明確にしておくことで、厳しい状況に陥った時にもモチベーションとなるでしょう。
また、企業を志す理由が、社会における価値観と合致していること・多くの人が共感できるものであることも重要です。事業が拡大すれば、他の企業と協力して事業を進めたり、社員を雇ったりする機会もあるでしょう。「社長になりたい」「現状の生活を打破したい」などの利己的な理由ではなく、協力企業や社員が共感できるものだと事業拡大の一助となります。
起業の目的が定まったら、事業を行う領域やアイデアについて考えてみましょう。
解決したい課題や分野が定まっている人は、自身のキャリアや興味関心、問題意識がヒントになることが多いようです。逆に、現時点での興味分野が特にないという場合であれば、今後成長する業界の課題・ニーズを調べてみる方法もあります。
事業を行う領域が決まったら、領域の競合やトレンド、既存サービスに似ているアイデアが使用されていないかなど調査を進めてみましょう。新規参入する場合には、特に競合サービスとの差別化を図り、自身のサービスの存在理由を見つける必要があります。
事業の領域やサービスのアイデアが決まったら、具体的なビジネスモデルを考えるステップに移行します。
ビジネスモデルとは、利益を生むための仕組みのこと。「ビジネルモデルキャンバス」というフレームワークを用いて考える方法がおすすめです。
【ビジネスモデルキャンバス9つの要素】
・顧客セグメント:誰に売るのか
・提供価値:顧客にどんな価値をもたらすのか
・顧客との関係:顧客が期待している関係性
・収入の流れ:どのようにお金をもらうのか
・チャネル:どうやって売るのか(小売店、通販など)
・キーアクティビティ:ビジネスの実現のためにやるべきこと(製造・販売など)
・キーリソース:ビジネスの実現のために必要な資源
・キーパートナー:商品の製造工場・販売する小売店など
・コスト構造:何にコストがかかるか(開発費、製造費、広告費、人件費など)
ビジネスモデルが決まったら、いよいよ起業に向けた手続きを進めるステップに移ります。
資金調達の方法は複数あります。金額や目指す事業の規模によって調達方法を検討しましょう。
小規模事業者のほか、教育資金融資など個人への融資も行っている日本政策金融公庫。
1先あたりの平均融資残高は1,008万円と、比較的少額の融資が中心です。融資先の約8割が従業者9人以下の小規模事業者であり、個人企業も多く利用していることが特徴です。「新創業融資制度」では、無担保・無保証で最大3,000万円(うち運転資金1,500万円)まで融資を受けることができます。
さらに、女性・若者・シニアの方・廃業歴等があり創業に再チャレンジする方・中小会計を適用する方など、様々な境遇の起業家を支援しています。
→日本政策金融公庫HP
制度融資とは、地方自治体・金融機関・信用保証組合が連携して提供する融資のこと。長期・低金利での借入が可能です。自治体の相談窓口から利用できるため、まずは相談に行ってみましょう。
デメリットとして手続きに時間がかかることが挙げられます。早めの相談が重要です。
支援内容は自治体により異なりますが、低金利での融資や税制面での優遇、補助金・助成金の交付など起業家を支援する制度が設けられています。
特に、補助金・助成金は返済不要のため、重点的に調査を進めましょう。
また、経済産業省や中小企業庁、厚生労働省など公的機関が補助金・助成金制度を提供しているケースもあります。補助金を受け取れる企業数や限度額が決まっていることが多いため、申込締切日や提出書類事前に調査し準備をする必要があります。事前準備に時間がかかりますが、数千万円規模の資金が手に入る可能性があるため根気強く申請を進めましょう。
クラウドファンディングとは、インターネットを介して多数の個人から少額ずつ資金を集める方法です。
目標額の達成のために、商品・サービスのアピールを行うため、資金調達の段階から多くの人に商品を認知してもらうことが可能です。
支援者へのリターンを設定する場合が多く、例えばユニークなアイデアを活かした雑貨であれば、「支援額に応じた個数を先着でお届け」などのリターンを設定します。資金調達時点でどれくらいの需要があるのか確かめることもできるため、テストマーケティングとしても効果的です。
ベンチャーキャピタルとは、未上場で高い成長が予想されるベンチャー企業へ出資を行う投資会社・投資ファンドのこと。一般的に、出資だけでなく経営コンサルティングも同時に行う会社が多く、経営への干渉を受ける場合もあります。
ビジネスプランを練っている段階で出資を受けられる可能性は低いものの、うまくいけば億単位の出資を受けられる可能性もあります。事業が軌道に乗り、拡大を目指すタイミングなどに検討してみてもよいでしょう。
最後は、いよいよ事業を始めるための法的手続きを進めます。必要な手続きや届け出は個人事業主として開業する場合と法人として起業する場合で異なります。
【個人事業主の場合】
・税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出(開業後1か月以内)
【法人の場合】
主な手続きは以下の5つです。このほかに、印鑑や法人口座の作成・必要書類を作成するなどこまごまとした作業があるため、早めの準備を心掛けましょう。
・法務局で設立登記を行う
・税務書に法人設立届出書を提出する
・年金事務所で健康保険・厚生年金保険加入の手続きをする
・労働基準監督署で労働保険加入の手続きをする(従業員を雇う場合)
・税務署で給与支払事務所等の開設の届出基本事項の決定
起業するうえで必要な特定の資格はありません。しかし、業種によっては資格がないとできない専門的な業務があったり、その分野における知識・技術を証明するものとして有利になったりすることがあります。競合との差別化を図れる点においても、資格は取らなくていいということはありません。
日商簿記・ファイナンシャルプランナー・中小企業診断士など、ビジネス・経理に関する資格のほか、エステ・ネイル・ヨガなど起業する特定の分野の資格を取得する方も多いようです。
企業の経営に関する知識はもちろん、起業すると必ず直面する「売上があがらない」問題に備え、独立前にサービスの広報・PR・マーケティング・営業に関する知識を身に着けておくと良いでしょう。
また、起業してしばらくの間は、経理業務を自分で行う方も少なくありません。事業推進が最優先事項であるものの、アウトソーシングする費用を抑えるために経理関係の知識を持っておくこともおすすめです。
「同じ目線で相談できる相手がいない」というデメリットを紹介しましたが、起業準備はもちろん実際に起業してからも、誰かに相談したいと悩むタイミングは多くあります。自分より先に起業している人・結果を出している人に相談できる環境を整えておくことは重要です。
同業者や同じ職場から独立した人、起業セミナーでの知り合いなどから、相談できる人がいるか探してみましょう。SkypeやZoomなどのオンラインミーティングのツールを積極的に活用することで、相手の負担を軽減することができます。
事業計画を立てるタイミングで、直近数年で雇用したい従業員数を考えておきましょう。起業したばかりでは自分1人ですべての業務を行うことが多いですが、事業の成長に合わせて従業員を雇用することも考えられます。どれくらいの人件費がかかるのか、どんな人を採用したいのか事前に考えておきましょう。
また、実績が十分でないタイミングでの採用になるため、どのような方法で採用候補者を集めるのかリサーチしておきましょう。
起業を決意したら、現在の勤務先を退職するタイミングを決めましょう。はじめは兼業・副業として事業を始めるのか、準備期間はどれくらいかかるのか、貯蓄はどれくらいあるのかなど、考慮すべき要素は多くあります。起業のスケジュールに加え、現在の業務の引継ぎ期間なども考慮したうえで退職日を相談しましょう。
現在の同僚が仕事仲間になるケースも珍しくないため、退職理由をしっかりと説明し、円満に退職するのが理想です。
愛知県で起業する際のメリット・デメリット・注意点をご紹介します。
香川県外からの移住への補助金・起業家が集まるコワーキングスペースなど、起業を考えている人へ手厚いサポートが提供されている香川県。近隣にお住いの方のなかにも、香川での起業を検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この章では、香川県の起業家支援制度や補助金・助成金制度をご紹介します。下記の他にも自治体ごとに支援制度があるケースもあるため、お住まいの地域のHPを確認してみてください。
愛知県では、新たなビジネスの種となる「スタートアップ」の育成を図るとともに、国内外からも誘引し、この地域にスタートアップ・エコシステムの拠点形成を図るプロジェクト「Aichi-Startup」を推進しています。起業家向けのプログラムや補助金情報をご紹介しています。
→スタートアップ推進課
創業・起業に関する補助金や支援施策、商工会議所以外の支援機関(地方自治体・公的機関関係)、創業の際の手続き・申請先などをご紹介します。
→名古屋商工会議所
愛知・三重・岐阜の女性の起業・キャリアアップをサポートしています。イベント・セミナー開催や先輩起業家のストーリーを紹介しています。
→Myスタイル起業
◇対象
新たに起業する場合、事業承継又は第二創業する場合
◇金額
補助率1/2、25万円~限度額200万円
◇申請期間
年1回受付。令和4年度は6月に申し込み開始。
→あいちスタートアップ創業支援事業費補助金(起業支援金)HP◇対象
市外に本社を有し、創業に係る法人登記を行った後10年以内の中小企業であること。ほか
◇金額
補助率1/2以内、限度額70万円
◇申請期間
年1回受付。令和4年度は5月-11月に申し込み受付。
→スタートアップ集積促進補助金HP◇対象
以下のいずれにも該当する商工業者
1.市内で起業してから1年以内のもの(起業前に何らかの事業を営んでいるものを除く)であって、とよはし創業プラットホーム参画機関に事業計画の策定に係る指導・助言を受けており、起業後においても同機関による指導及び助言を継続的に受けるもの
2.継続して本市に本店(個人事業主については住所)を有する意思を有すること
3.フランチャイズチェーンでないこと
4.市税の滞納がないこと
◇金額
補助率1/2以内、限度額法人:30万円、個人:20万円
◇申請期間
随時募集
→豊橋市起業支援事業費補助金HP起業したばかりの会社では、個人の携帯番号を会社番号として使用する企業も多く存在します。
固定電話のコスト削減、回線工事が不要などのメリットがある一方で、個人の電話番号を公にしなくてはならない、会社の信用に関わるなどのデメリットがあることも事実です。
ここでは、起業したての会社におすすめの「スマホがビジネスフォンになるサービス」、クラウドPBXをご紹介します。
クラウドPBXとは、インターネットを介してPBXを使用する電話サービスです。
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